子どもの親権・面会交流について

1 親権・監護権について

親権とは、未成年の子どもを監護・養育し(これを「身上監護」といいます。)、その財産を管理し,その子どもの代理人として法律行為をする(これを「財産管理」といいます。)権利や義務のことをいいます。

監護権とは、未成年の子の身上監護を行う権限をいいます。

親権者が監護権を行使することがほとんどですが、場合によっては親権者と監護者を分ける例もあります。

夫婦の間に未成年の子がいる場合、父母は共同して親権を行使しますが、離婚をする場合、父又は母のどちらかを親権者に指定しなければ離婚することはできません。

 

2 親権者指定の判断要素

近年、子どもの親権者の指定が争われる事例が増加しています。

では、親権者の指定はどのような基準で決められるのでしょうか。

親権者を指定する際、過去の監護養育状況、現在の監護養育状況、将来の監護養育の計画の3段階を意識し、総合的に子の福祉に沿うかの判断をしています。

親権者の指定の判断基準は様々ですが、

  1. 子の監護の継続性
  2. 奪取の違法性
  3. 乳幼児における母性優先の原則
  4. 監護能力・監護補助者
  5. 子の意思
  6. 面会交流の寛容性
  7. きょうだいの不分離

といった要素を基に判断されます。

どの判断基準が重視されるかは子の成長に伴って変化します。

例えば、未成年の子が乳幼児であれば、母性優先の原則が重視されますし、子が10歳程度であれば、子の意思が重視されるようになります。

 

3 面会交流(面接交渉)について

面会交流とは、離婚後又は別居中に子どもを養育・監護していない方の親が子どもと面会等を行うことです。

すなわち、離婚後だけではなく、婚姻中も問題となります。かつては面接交渉と言われていましたが、現在は面会交流という言葉が一般化しています。

離婚前の非監護親が監護親に対し、面会交流を求める場合、双方の感情的対立や親権者指定の争いがあることから、監護親が面会交流に消極的となることもあり、しばしば問題となります。

現在、家庭裁判所においては、面会交流を重視しており、明らかに子の福祉を害しない限り、認められる方向となっています。

面会交流を制限・禁止すべき場合として、

  1. 子の連れ去りの恐れが高い場合
  2. 子の虐待の恐れがある場合
  3. 子を監護している親への暴力等があった場合
  4. 父母の対立又は葛藤が激しい場合
  5. 子が拒絶している場合(子の年齢等にもよります)

等が考えられます。

 

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