弁護士の工藤です。
河北新報に、銀行カードローンの過剰融資により破産事件が増加しているとの記事が掲載されていました。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201706/20170604_73008.html
2010年6月に改正貸金業法が完全施行され、消費者金融の貸付を原則年収の3分の1以下に制限する「総量規制」が導入されたため、破産事件は減少を続けており、実際に、私が受任する破産事件の数も減少傾向でした。
しかし、昨年から破産事件が増えてきた印象があり、銀行の高額な貸付に対し返済することができず破産するに至ったという事案が多いと実感しています。銀行は「総量規制」の対象外で貸付額に上限がなく、年10%を超える利息で貸し付けているため、なかなか完済できず、借金の額が膨れ上がっていくことが多いです。
全国銀行協会は各銀行に対し、審査の厳格化を求めており、今後、貸付額に上限が設けられることも考えられますが、まずは、借主が銀行カードローンの利用に慎重になることが求められていると思います。
既に銀行カードローン等を利用し、その支払が困難となってしまった場合には、さらに他から借入れをして返済しようとするのではなく、弁護士に債務整理の相談をされることをお勧めします。